精神科に通い始めた話

もうすぐ2017年も終わるわけで。

わたしの2017年の幕開けはの真っただ中に居ました。体も心も疲れ切ってて、目に入るもの全てにイライラし、自分の20代が終わる絶望と、先の見えない仕事といろんなことが合わさって、毎日毎日死にたい死にたい死にたいの繰り返し。

 

それまでもずっとそういう自己啓発系の本や、憂鬱な気分じゃなくなるような生き方、少しでも元気になりたいという気持ちで学んだことのなかで

「わたしは憂鬱な気分を感じることや不安を持つことが好きなんだ」

「この状態が自分にとってメリットがあるからこうなってるんだ」

うつ状態でいることを選んでいるのはわたし自身だ」

ということを知ったけどそこからどうすればいいのか分からない。

毎日駅のホームに飛び込みたくなって、ぎりぎりのところで自分を抑える日々が続き、精神が健康な状態というのがどんな感じのものだったのかすら思い出せなくなっていて。あるとき、これはわたし、あと数日持たないなと思う出来事があり、医療機関の力を借りなければ本当に死んでしまうというところまできていた。こんなもの、もうメリットもくそもない。やばい。死んでしまう。周りの人に超絶多大なご迷惑をかけてしまう。だから、心療内科の受診を決意した。

 

精神科の受診

心がしんどくて体調などに影響が出ている場合は心療内科、影響は出ていないがとにかく心がしんどすぎてやばい場合は精神科らしい。

わたしの中のイメージで、なんかヤバイ度は心療内科<<<<<<<<<<精神科だったので、まじかわたし精神科に行くのか。やばいな、まじやばいな。という気持ちに…。これでわたしが事件とか起こしたら「容疑者は過去に精神科に通院歴があり…」とかいわれるやつだな。事件は起こさないようにしよう。

 

 

 

持病でかかりつけの総合病院があるので、そこの精神科をまず受診しようということになった。前もって色々調べておかないと不安になるタイプなので受診の日までめちゃくちゃ調べた。過去に通院歴がある知り合いに話を聞いたり、ネットで検索したり、そのお医者さんのクチコミを調べてみたり。でも結局は、行ってみないとわからないなと思い、腹をくくる。

 

 

ブログなどを読んでると、診察中にわっと泣き出す人が多いらしい。今までの苦しみを吐露するんだからそうなるだろう。わたしも泣いちゃったりするのかな、と思ったらそうでもなかった。ものすごく気持ちが冷静になり、淡々と話してしまった。感情的になってしまっては症状が先生に伝わらないと思ったからかもしれない。

「仕事は普通に行けてます」

「ただただ気持ちがしんどい」

「不安がずっとついてくる」

「30歳になったら死のうと思って頑張ってきたんで死ぬしかないような気持ちになってる」

「楽しいと思える瞬間がひとつもない」

みたいなことをただつらつら話してた気がする。

 

 

 

 

先生は穏やかで優しい男性で、表情を変えずうんうんと聞いてくれた。

わたしは、知らない大人の人相手に「死にたい」とかくだらないこと言ってる自分がすごく恥ずかしくなって「なんでもないです、すみません」ってすぐその場から逃げたかった。けど先生は今のわたしの状態を簡潔に説明してくださって。

そのあとに「もし抵抗がなければお薬で様子を見ていくという手段もあります。」と言ってくれた。

抵抗なんかない。そもそも何もしなくてもこれから死ぬ人間だ。薬に依存してしまうようになったところで、これ以上悪くなんてならない。

「お願いします。」と即答した。

 

 

 

 

わたしが処方されたのはセルトラリン錠25gというジェイゾロフトというお薬のジェネリックだ。

 

適用】

うつ病うつ状態パニック障害、外傷後ストレス障害


応用】
摂食障害過食嘔吐、月経前不快気分障害強迫性障害社会不安障害(社交不安障害)など、いろいろな心の不具合に応用されることがあります。

 

 

らしい。比較的安全なお薬みたいでとりあえず少しずつ様子を見てみましょうということで最初は25gから始まった。

 

 

 

 

落ち込めない

夕食後に薬を飲んで翌日の朝、ものすごい違和感に襲われた。

「落ち込めない」のだ。沈みたいのに蓋をされていて沈めない。開けろ!開けろ!とその蓋を蹴りつづけているわたしがいる。脳内がそんな感じだった。

そのとき感じたのは「やっぱりわたし落ち込みたがってるんだ」という実感だった。理屈では分かっていたけど、こんな風に体感するのは初めてだ。落ち込みたいのに落ち込めない。なぜ落ち込みたがってるかというと、それがわたしにとっての「普通」になっているからだ。

ものすごく変な感じだった。気持ちが軽くなったというよりは違和感のほうが強く、でもいつものような「死にたい」という重苦しい気持ちは感じなかった。理由もないのに不安で仕方ないということもなかった。なんだこれすごい。選択的セロトニン再取り込み阻害薬すごい。なんかよくわからないけどすごい。

 

 

とりあえず1週間、胃薬と一緒に飲んだ。

 

薬が増える

とりあえず1週間試して、なんとなく効果は感じていたものの、やっぱり不安になったり死にたくなったりはした。意欲はわかない。

 

それを診察で先生に伝えると薬が増えた。25gが50gに。錠剤おっきくなったー!

 

 

 

薬が増えたことによる違和感はなかった。落ち込むこと急激に減った。何なんだろう。ずっとわたしはわたしなんだと思っていた。なのに、少しの薬で脳の動きが変わっただけで、こんなに人間って変わるのか?本で読んだ通り、自分=脳なんだな…と感じた。

だけどまだあと一歩、不安に追い詰められたり、急激に生きるのが面倒になったりすることがあった。

薬は75gに増えた。

 

 

 

そして数か月

 

以前のようなひどい落ち込み、強迫観念、不安感はなくなった。死にたいと思うこともなくなった。薬は毎日服用している。

 

元気になった、とは言えない。ようやくフラットになったなと言えるくらい。

薬を飲んでる時点でだめじゃん、だましだまし生きてるだけじゃんと思われるかもしれないけど、わたしはこれで全然いいと思ってる。とにかく今日1日を生きられればいい。以前のわたしは、それさえ出来るか不確かだった。

 

この数か月、自分の環境にも変化があり、ついてけるか心配だったんだけど、なんとかうまくやれている。

 

 

 

変化を歓迎できる人は、どこまででも行ける

 

 

 

 

前のわたしは、何かを決めることが苦手だった。常に「現状維持」を選んでいた。わからない場所が怖かったからだ。未知は、痛みよりも怖い。

 

そんなわたしが、薬のおかげか分からないけども、「いい想像」が出来るようになった。今までそんなことはありえなかった。悪い方面ばかり想像し、そうならないように生きることで精いっぱい。いいイメージをすることは堅実ではなく、調子に乗ることと同じだと思っていた。

 

でも、いい想像をすることでたくさんのことが変わった。

まず、今まで選ぶことのなかった選択肢を選ぶことが増えた。経験が増えることで知覚も広がることを知った。

なんでも「やってみます」「やりたいです」と言えるようになり、出来ることが増えた。

 

新しいことを学ぶって楽しい。脳がフル回転してるのを感じて、落ち込む隙がない。

休憩をとるときも以前のように強迫観念に襲われたりしない。

 

今のわたしは元気になったかどうかはわからない。

だけど悪くはないと思う。

 

 

薬をおすすめするわけではない

 

人には合う合わないがあり、抗うつ剤よりもカウンセリングのほうが効く場合だってある。むやみやたらに薬を出す先生のことは疑ったほうがいいかもしれない。

わたしの場合、今の薬が合っていて、死なずに日常生活を送ることが出来ているという話で、他の人が全く同じとは限らない。

 

思うのは、とりあえず今日生きてたらオッケーってこと。

 

そう。そう思えるようになったのがいちばんよかったかもしれない。

大人だからってしっかり真面目に生きてなくていい。

ズルくてもいいし、自分自身に激甘でもいい。

心地よく、楽しく、機嫌よく毎日を過ごせたら、それでいいんだと。

 

 

 

 

 

 

これからいつまで精神科に通うか分からない。

死ぬまで通い続けるかもしれない。でも、別にそれでいい。今日を生き延びれたらそれでいいんだ。